2010年5月10日月曜日

注目 IBM

真正保守、車がFordなら、コンピュータはIBMだ - CEO


クラウド組が地上のベースコンピューティングを使って、雲を創る

つまり、Web上のアプリケーションソフトと、グローバル知識ベース

担当は?


Google, Microsoft, Apple


クラウドに対して、地上サイド(ベースコンピューティング)

IBMは?


キーワード、三本柱

ハード => ベースコンピューティング(サーバー)

ソフト => クラウドコンピューティング(PC向け)

システム/サービス => スマーター・プラネット(企業向け)


スマーター・プラネット

分析能力 => 社会モデルの創成

巨大都市(メガロポリス)のインフラの効率的な運営

農業 => 具体的には? 

インフラ => 電力網、医療、教育


キーポイントは?

文化の違い => ディバーシティとローカライズ

チャレンジ精神 => リスクを取って、ビジネスチャンスを見出す

ワイアレス産業(面白い、ベースサイドなので、モバイルとは言わない)

独占ではなく、オープンで適正な競争

分断(囲い込み)ではなく、標準化

一人の技術者が世界を変えるマグニチュード


マグニチュードを数値化したら面白い

地震ではなく、世界変革マグニチュード7.7とは?

どんな、変革でしょうか? 笑い


若手のエンジニアへ


あなたのチャレンジ目標は? マグニチュード7.7です、笑い


わが社の三本柱は?


ハード => ベースコンピューティング(サーバー)

ソフト => クラウドコンピューティング(PC向け)

システム/サービス => スマーター・プラネット(企業向け)




ご登場、IBM



「より賢い地球へ」そこに商機は広がる

“IBM最高の知性”が見る、コンピューターの未来

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 IT業界の巨人、米IBMが攻勢を強めている。
 2008年からスローガンに掲げるのが、「スマーター・プラネット(より賢い地球)」というキーワードだ。ITを使って、全世界の社会インフラを「より賢く」進化させ、その過程でIBMのハードやソフト、サービスを売り込むのが狙いだ。
 日経ビジネス5月10日号特集「米IBM、インフラ企業に変身」の連動インタビューシリーズとして、IBM幹部の生の声をお届けする。
 第1回に登場するのはIBMワトソン研究所のマーク・ディーン副社長。「IBM PC」やスーパーコンピュータ「Blue Gene」の誕生に大きく貢献し、IBMの技術者の最高職位とされる「IBMフェロー」に就任した。IBMが誇る最高の知性の1人が、研究開発の方向性を語った。
(聞き手は小笠原 啓=日経ビジネス記者)
マーク・ディーン(Mark Dean)氏
IBMワトソン研究所副社長、IBMフェロー
米スタンフォード大学で電気工学博士号を取得。IBM入社後は、コンピューターのハードウエア設計などを手がけ、1995年にIBMフェローに就任した。40以上の特許を保有し、そのうち3つはパソコンの誕生に大きく貢献した。IBMでは組み込み型からスーパーコンピューターに至るまで、あらゆるタイプのコンピューターの開発に携わる。彼の特許がなければ、パソコンとプリンターを接続できないとさえ言われる。
(撮影:丸本孝彦、以下同)
 ―― 2010年、IBMの研究部門が重視しているテーマについて教えてください。
 ディーン 会社としては大きく3つにフォーカスしている。
 まずは「アナリティクス(データの分析)」。IBMは全社のスローガンとして「スマーター・プラネット(より賢い地球)」を掲げているが、(コンピューターによるデータの)分析能力を高めることで、世界をもっと効率化できることが分かってきた。社会をどのように運営するか、そのモデルを作るためには分析能力の高度化が必要だ。

IBMは常にチャンスを見つけて変遷してきた

 次はクラウドコンピューティング。クラウドを使えば、大小様々な規模の企業、あるいは個人に(インターネット経由で)サービスを提供できるようになる。
 (サーバーなどをデータセンターに集約することで)コンピューターの計算能力を高め、エネルギー効率も改善できる。組み込み型の小さな端末からスパコンに至るまで、すべてにコンピューターはエネルギー効率をもっと高める必要がある。IBMにとっては非常に重要な分野だ。世界のコンピューターはもっと進化させられる。
 もう1つは「都市」だ。今後、人類の過半数はメガロポリス(巨大都市)に住むようになる。そうした都市に人が集中することで、交通やエネルギー、通信や治安、水管理などが複雑化していく。そうしたインフラを効率運営するには、技術によるサポートが不可欠になる。
 ―― ここ数年、コンピューターやIT(情報技術)以外の分野に研究対象が広がっています。なぜIBMが「畑違い」の研究を手がけるようになったのでしょうか。
 IBMは常にチャンスを見つけて、トランジション(変遷)してきた会社だ。メーンフレームからパソコンへ移行したときも会社は大きく変わったし、(ルイス・ガースナー前IBM会長が著書「巨象も踊る」で書いたように)サービスビジネスを志向した時もそうだった。そして今は、スマーター・プラネットの分野に大きなチャンスが眠っている。
 例えば農業。農業自体は古い産業だが、そこにITを活用できるようになった。同じように電力網や医療、教育など、これまで使えなかったようなところでもITを活用できるようになった。

研究予算の25%以上はスマーター・プラネット関連に

世界最速のスーパーコンピューターの1つ「Blue Gene」と
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 こうした分野は、運営を効率化するニーズが非常に高い。そのため、大きなお金が使われるようになる。しかも、ほかのIT企業はこうしたチャンスに手を伸ばしていない。
 そこに、IBMのシステムとサービスを売り込めば、お金儲けができるはずだ。小さなチャンスでも、積み上げていけば大きなビジネスになる。これが、スマーター・プラネットの狙いだ。
 今後、スマーター・プラネット関連のビジネスがどこまで成長するかは分からない。しかし、現時点で研究予算の25%以上はスマーター・プラネット関連に当てられている。全社がこちらの方向に向かっているのは間違いない。
 ―― IBMの研究分野が広がるにつれて、研究所の体制はどのように変わってきたのでしょうか。
 IBMは世界8カ所に基礎研究所を構えているが、最近になって「コラボラトリー」(英語のコラボレーション=提携、ラボラトリー=研究所を組み合わせた造語)という取り組みも始めた。現地の政府や企業、大学と共同して、IBMがこれまでやらなかったようなテーマを研究している。

文化の違いが独創的なソリューションを生み出す

 研究所から現場へ、外に出て行く理由は単純だ。IBMが持っていない、現地の独自性を取り込みたいからだ。最近では、文化の違いが独創的なソリューションを生み出すようになった。技術的に優れているサービスよりも、地元のニーズに合致したサービスを、IBMは生み出さないといけない。
 オーストラリアのメルボルンに設置したコラボラトリーでは、天然資源の管理システムを研究している。メルボルンには自然科学の専門家が非常に多く、彼らと共同研究することで、IBMは自前の研究リソースをもっと得意な分野に振り向けられる。外部の力を借りて、新しい技術や知財を生み出す仕組みがコラボラトリーと言える。
 ―― 研究開発における、IBMの強さはどこにあるのでしょうか。
 人材については世界最強だと考えている。ほかの企業の研究所は、深さという点で、IBMにはかなわない。
 IBMは世界で3000人以上の基礎研究員を抱え、その半分は博士号を持っている。しかも、コンピューターのエンジニアだけでなく、数学や物理学を専門とする人も多く抱えている。さらにナノテクノロジーの研究者や、社会科学者やビジネスを専門とする人もいる。

リスクと隣り合わせだから新分野に取り組む

 研究所がそうした幅広い人材を抱えていることが、IBMのビジネスや販売戦略を大きく左右している。研究活動が全社のビジネスに及ぼすインパクトは非常に大きい。
 毎年約60億ドル(約5700億円)の研究予算を使っているが、(リターンとして得られる)売り上げと利益を考えると、十分正当化できるはずだ。
 ―― 研究所のテーマを見れば、IBMが数年後にどんなビジネスを手がけるかが分かるかもしれませんね。
 そうであればいいんだけど。
 私のボス(サミュエル・パルミサーノ会長兼CEO)は、常々「研究所はIBMのヘッドライトで、研究所が開発する技術がIBMが進むべき未来の方向を照らし出す」と言っているくらいだから。
 しかし、いつもうまくいくわけではない。新しい分野に取り組むのは、リスクと隣り合わせだからだ。失敗も数多いので、今の研究テーマがそのまま未来のビジネスにつながるわけではない。

失敗は学習のチャンスである

 失敗の理由はいろいろあるだろう。タイミングもあるだろうし、市場に受け入れられないこともある。IBMの力不足で、適切なソリューションを提案できないこともあるだろう。
 しかしIBMは、研究者がリスクを取るよう、いつも勇気づけてきた。そうして失敗を恐れず新しい分野を探検したことで、IBMはビジネスチャンスを見つけてきた。
 失敗することはあるだろうが、それは学習のチャンスでもある。後々にも生かされる貴重な経験だ。そういうアプローチを取らない限り、イノベーションは生まれないものだと理解している。
 ―― ディーン副社長は約30年前、パソコンの開発に大きく貢献されたと聞きました。当時の研究が、今のパソコンの基本設計に生かされ、多くの人が使っています。もし今、30歳若返ることができるなら、何を研究しようと思いますか。
 それはすごいな。ちょっと考えさせてくれるかい…。
 私がパソコンの開発を通じて学んだことは、独占してコントロールしようとしていては、市場は拡大しないということだ。
 IBMはかつて、競合相手が「IBM PC」の完全なコピーを製造することを許した。これにより、新たな産業が誕生した。歴史を振り返れば、多くの会社や個人が協力できれば、大きな価値、大きな市場が生まれることが分かる。

技術者として考えると今は非常に面白い時代

 今、そういうことをするなら、ワイヤレス産業だろう。(通信会社ごとに囲い込むのではなく)どの通信会社でも使える携帯電話端末が登場すれば、新しいビジネスチャンスが膨大に生まれる。システムを分断するのではなく、標準化することが重要だ。
 水やエネルギーを管理するシステムも同様だ。(電力会社や自治体が)各々独自にシステムを作るのではなく、一緒に統合管理できれば、コストは大幅に削減できるし、運営も効率化できる。そして、データも集められる。
 仮に、私が20歳の若者なら、そうして集まったデータを分析する研究に取り組みたい。人類はこれまで多くのデータを集めてきたが、それを使いこなすと何ができるか、まだ本当に理解していない。企業も個人も、持っているデータの価値に気づいていないのが現状だ。
 そうしたデータをより深く分析すると、新しい価値が生まれてくる。そして、予想もしなかった問題すら解決できるようになるだろう。
 1人の技術者として考えると、今は非常に面白い時代だ。米国も日本もヨーロッパも、一斉に新しいフェーズに入りつつある。さらに、ナノテクやバイオテクノロジーなど世界を変えられる分野も幅広くなっている。
 1人の技術者が世界を変える「マグニチュード」、言い換えると潜在的な可能性は、30年前と比べても大きくなっている。残念ながら私は20歳の若者ではない。だけど私にも、世界を変えるチャンスはまだ残っているはずだ。


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