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2008年12月12日金曜日

ワークライフバランス・・・

男女均等施策とワークライフバランスの望ましい姿とは?


女性の定着率の高さ

男女の職域分離がない

既婚や子供を持った女性が多い

既婚や子供を持った女性管理職が多い


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(出典)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/nba/20081209/179671/

【3】ワークライフバランスは「新しい報酬」

東京大学社会科学研究所教授・佐藤博樹さんに聞く

2008年12月12日 金曜日 治部 れんげ
ワークライフバランス 
労働時間短縮を求めたり、「土日は休みたい」と考えたり、さらに仕事での自己実現などを求めたり…。
社員が求める「報酬」は形を変えてきた。そして今、「ワークライフバランス支援が新しい報酬になった」と、東京大学社会科学研究所教授・佐藤博樹さんは語る。

 会社によるワークライフバランス支援とは、社員が仕事以外のやりたいこともでき、同時に仕事にも取り組める仕組みを作ることです。

 企業は社員に意欲的に働いてもらうため、様々な「報酬」を提供してきました。戦後の混乱期は仕事に就けることで社員が満足する状況もありました。その後、社員は、賃金アップだけでなく、労働時間短縮を求めたり、「土日は休みたい」と考えたり、さらに仕事での自己実現などを求めたりするようになりました。企業は、社員が仕事や会社に求めるものの変化に対応するために、社員への「報酬」を変えてきたわけです。

 とはいえ、近年まで企業は、社員が仕事や会社に求めることを考えていればよかったのです。「ワーク・ワーク」の社員が中心だったことによります。ある時期までは、結婚や出産を契機に女性が仕事を辞めることで、社内には仕事一辺倒の独身男女と、専業主婦を妻とする男性が多かったのです。

 ところが今は、30代以下の世代を中心に、ワーク以外にやりたいことや取り組まなければならないことを持った「ワーク・ライフ」社員が増えてきました。育児・介護・ボランティア・夜間大学院での勉強などがそれらです。

 こうした結果、会社が社員に求める働き方が、旧来の「ワーク・ワーク」社員を前提としたものであると、「ワーク・ライフ」社員は「ワーク・ライフ・コンフリクト(仕事と私生活の対立)」に直面し、社員は仕事にも意欲的に取り組めなくなります。もちろん、今も「ワーク・ワーク」の人もいますが、多くの社員にとっては、ワークライフバランス支援が「新しい報酬」となったのです。

管理職に必要な資質も変わる

 管理職に求められるマネジメント能力も変わることになりました。部下の「時間制約」を前提に、仕事や時間を管理する必要があります。これまでのように「仕事が終わるまで残業などの時間を投入する」のではなく、限られた時間の中で生産性や創造性を高める仕事の仕方や時間の使い方をしなくてはいけなくなりました。多様な価値観やライフスタイルを持つ社員を認める必要もあります。管理職自身は、「ワーク・ワーク」でもいいですが、その価値観を部下に押しつけてはいけないのです。

2008年12月2日火曜日

ビジョン コラボ

(出典)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/skillup/20081127/178443/


【17】ネゴシエーションは楽しくないが、コラボレーションは楽しい

一枚の「絵」に描いた新会社のビジョン

2008年11月28日 金曜日 倉重英樹
経営  顧客  コンサルタント  パートナー  経営者  クライアント  コラボレーション  カスタマー  ネゴシエーション 

 まず、1枚の絵をご覧になっていただきたい。これは第5回に掲載した手描きの絵と同じ内容である。お客様と、お客様に商品やサービスを提供する企業との関係をまとめたものだ。

 絵の縦軸は「顧客緊密度」、すなわちお客様を知っている度合いを示し、横軸はお客様と共有する「リスクとリワード(報酬)」のレベルを示す。ぜひ、ご自分の所属する企業が絵のどこに位置するか、考えてみていただきたい。



 絵について説明する前に、長年の間、私がずっと考えてきた問題を提起したい。それは次の通りである。

 「ネゴシエーションではなく、真のコラボレーションを通じて、共に価値を創造してくれるパートナーが必要だ。しかし、なかなか見つけられない」

 他の企業と一切取引せずに、ビジネスを展開できる企業はまず存在しない。他の企業とつき合うのであれば、お互いがハッピーになることが望ましい。理想は、企業と企業が同じ目的を共有するパートナーの関係になって、同じ仕事の進め方をし、成果を目指すことだ。成果が出たら、両社はそれを分かち合う。これが、コラボレーションで価値を創造する関係と思う。



現実には存在しない、真のコラボレーション

 ところが現実には、企業と企業の関係はコラボレーションというより、もっぱらネゴシエーションが中心になってしまう。ある企業が別の企業からサービスを買うことにしたとしよう。所定のコストの中で、できるだけ良いものを手に入れたい顧客側の企業はサービス提供企業にあれこれ注文をつける。一方、サービスを提供する企業から見れば、売り上げた金額の中から、できるだけ多くの利益を得たいから、顧客の注文に対し「それはできません」「追加料金が必要になります」と交渉することになる。ネゴシエーションが繰り返されると、両社の関係はぎすぎすし、サービス提供企業は本来目指すべき、「顧客企業の成功を支援する」ことに集中できなくなる。

 私はコンピューターメーカーの営業担当者からスタートし、メーカーの副社長を経て、コンサルティング会社の社長に転じ、さらに通信事業会社の社長を経験し、現在は投資ファンドの会長と新しいコンサルティング会社のCEO(最高経営責任者)を務めている。情報通信技術(ICT)を「提供する側」と、ICTを利用して企業価値を高めようとする「お客様側」の両方を経験してきたわけだが、どちらの立場にいても「ネゴシエーションばかり、コラボレーションが少なすぎる」とずっと思ってきた。

 ICTの提供側にいた時、コラボレーションをやりたかったし、自分が客側に立った時には共に価値創造に取り組める相手を強く求めていた。同じように多くの企業もコラボレーションができる相手を欲しているはずだ。求められているものが世の中にないのなら、自分たちで創ろう。これが5月に設立したシグマクシスという企業を創った理由である。

 本連載の第1回目に、新会社を発表する記者会見で伝えることは「コラボレーションで価値と喜びを創造する会社を創ります」に尽きると書いた。なぜ「喜び」が出てくるかと言うと、コラボレーションで価値を創造する活動は無限の可能性を追いかける楽しさであふれているはずだからだ。シグマクシスと仕事をすると楽しい、また一緒に仕事をしたい、と言っていただける会社になりたいと思っている。これに対し、ネゴシエーションは時には必要であるものの、ともすれば腹の探り合いや価格の叩き合いになってしまい、楽しいとは言い難い。

お客様を熟知し、すべてを共有する

 それでは、お客様とコラボレーションをすると言った場合、どのような関係になればよいのか。まず、お客様のことをよく知っていなければならない。お客様自身のことはもとより、お客様のいる業界、お客様の競合相手、お客様のビジネスパートナー、ひいては「お客様のお客様」まで知り尽くしているという意味だ。お客様の経営者や担当者の顔と名前を単に見知っているという意味ではもちろんない。

 さらに、ビジネスにおけるリスクとリワード(報酬)をお客様と共有することになる。例えば、お客様の在庫を削減するという共通の目的を掲げてコラボレーションを進めるとしよう。在庫削減の取り組みには様々なリスクがあるが、お客様と我々でリスクを洗い出し、共有する。在庫削減を手伝う我々が削減額の一定割合を報酬として受け取るようにしてリワードを共有する。在庫削減に失敗すれば、お客様も当社も困るから、予期せぬリスクが発生してもそれに協力して取り組むことになる。これに対し、リスクとリワードを共有できない状況においては、お客様はひたすら安いサービス調達を、我々はひたすら利益確保を、それぞれ目指すことになり、ネゴシエーションをするしかない。

 お客様を熟知し、リスクとリワードを共有する。この2つを満たした時、我々とお客様は対峙する関係ではなく、コラボレーションのパートナー同士になり得るはずだ。こうした関係を目指すべく、我々はお客様を「パートナー」と呼ぶことにした。自らを「お客様のパートナー」と言いたいし、お客様のことも「私たちのパートナー」と思いたい。

カスタマー、クライアント、パートナーは何が違う?

 ここでもう一度、例の絵をご覧いただきたい。縦軸が顧客緊密度、横軸がビジネスにおけるリスクとリワードのレベルである。お客様を熟知し、リスクとリワードを共有する状態は絵の右上に位置する。シグマクシスが目指すのはここである(絵ではパートナーを「Xpartner(クロスパートナー)と表記している)。

 一方、お客様を熟知しているが、リスクとリワードの共有まで至らない状態が左上であり、ここではお客様を「クライアント」と呼ぶ。お客様を熟知せず、リスクもリワードも共有しない状態が左下であり、ここではお客様を「カスタマー」と呼ぶ。シンプルな絵なので、私の意図はご理解いただけると思うが、念のため、カスタマーとクライアントについて補足しておく。

 個別のカスタマーのことを熟知せず、リスクもリワードも共有しない状態としては、ファストフードの店を思い浮かべると分かりやすい。「ハンバーガーを1つ下さい」と言えば、私が行っても5歳の子供が行っても、所定の金額を渡せば、一定の商品が出てくる。その店に行くカスタマーは、カスタマイズされた特注商品ではなくて、頼んだ商品が所定のコストできちんと出てくることを期待する。だからこそ、ファストフード側は、私の名前も子供の名前も知らなくても商品を提供できるし、カスタマーに応じて提供するモノやコトは変えない。

 一方、お客様をクライアントと呼ぶビジネスは、リスクもリワードも共有しないが、個々のクライアントのことをよく知ったうえで、提供するコトやモノを変えていく(カスタマイズする)。こうしたビジネスを手がける企業や人は、皆一定の方法論は持っているものの、相手によってその使い方を変える。提供するコトやモノが毎回違うので、クライアントにお支払いいただくコストも毎回変わる。

 分かりやすい例は、弁護士、会計士、コンサルタントといったプロフェッショナルサービスだ。医者は患者を「クランケ」と呼ぶが、これも同じ語源だ。コンピューターメーカーや通信事業会社が「ソリューションビジネス」という場合、彼らはお客様をクライアントと見る領域に入ろうとしている。つまり標準のコンピューター製品や通信サービスを誰に対しても納めるのではなく、個々のクライアントの問題に応じ、カスタマイズした解決策を提供しようというわけだ。

コラボレーションを追求すれば成功報酬型ビジネスになる

 お客様をカスタマーないしクライアントと呼ぶビジネスは昔からあった。しかし、私は今回、前述した通り、お客様とパートナーの関係になってコラボレーションをするビジネスモデルを追求したいと考えている。ここでは、コラボレーションで価値を創造する関係になり、当然、お客様ごとに生み出すモノやコトは異なる。しかも、我々が提供するモノやコトに対価を払ってもらうという関係は成立しない。リワードを共有するのだから、いわゆる成功報酬のビジネス形態になっていく。

 シグマクシスを設立した際、この「成功報酬型ビジネス」というキーワードが話題になった。ことICTの業界では、成功報酬型にチャレンジしては失敗しているケースが多いので、このご時世に、わざわざ新会社まで設立して成功報酬型ビジネスにチャレンジするとは一体どんな試みをするのだろう、と興味を持っていただいたのだと思う。

 だが、私が本当に追求していきたいのは「コラボレーション型ビジネス」であって、成功報酬型ビジネスそのものではない。コラボレーション型ビジネスを追求していけば、契約の形はおのずと成功報酬型になっていくということだ。したがって、何よりもまず、会社全体がコラボレーションを追い求める体制になっていなければならない。だからこそ、これまで何回かに分けて説明したように、全社員がモチベーション高く、お客様の成功に集中できる仕組み、制度、環境づくりに全身全霊を注いでいる。

Xpartner(クロスパートナー)という造語に込めた想い

 ところで、絵の中で「パートナー」に当たる箇所に「Xpartner(クロスパートナー)」と書いてある。この言葉は、社名のネーミングとデザインをお願いしたジザイズの横井惠子デザイナーに創ってもらった(関連コラム「えっ社名を外部に発注するのか」)。社名を決め、次に私が作ったビジョン・ステートメントを、言語としてどう整えるかを彼女と検討していた時、「コラボレーションを追求するパートナーを目指す」という当社のビジョンを、先の絵を使って横井氏に改めて説明した際、私はこう言った。

 「今、企業の成功を支援するサービスを目指す多くの企業が“私たちは御社のパートナーです”というフレーズを使っている。だが、実態を見ると、サービスに対する対価をもらう、クライアントに対するビジネスのままだ。パートナーを志してはいるが、実際は提供者とクライアントの関係に留まっている。そこで我々は新しいパートナーを目指す、と訴えたい」

 すると彼女は「少し時間を下さい」と言って帰り、しばらく姿を見せなくなったが、1週間後に現れた。その日、彼女がおもむろに出した1枚の紙には「Xpartner for Your Z   究極なる価値を創造する」と1行だけ書かれていた。私の描いた絵と私の語った想いを1行のビジョンステートメントにしてくれたのだ。

 その1行をにらんでいた私に横井氏は言った。「パートナーという言葉がすでにあちこちで使われているのであれば、シグマクシスならではの思いを込めた造語を用意しましょう。相手と“共に”という意味で“X(クロス)”をつけて、クロスパートナー、これでどうでしょう」。

 Zには「究極」という意味がある。「あなたの究極の価値を、共にリスクを負いながら実現するパートナーでありたい」という思いが、“Xpartner for Your Z”というビジョンステートメントにきっちり表現されていた。しかもこのステートメントには“X”“Y”“Z”という、「SIGMAXYZ(シグマクシス)」という社名の3要素がすべて入っている。

 無駄のない表現、社名との連動、一貫性、そして言語としてのリズムと面白さに私は唸ってしまい、社員と協議して、この案を採用させてもらった。こうして、先の絵の右上に、“Xpartner“という文字が晴れて収まった。

 最終的なシグマクシスのビジョンステートメントは、“Xpartner for Your Z 究極なる価値と喜びを創造する”に決めた。横井氏の案に「喜び」の2文字を追加したのは私だ。前述した通り、コラボレーションは本来、楽しい仕事である。また、「究極」「価値創造」という言葉は文字で見るとなにやら固い。そこであえて「喜び」という感性ワードを入れて、柔軟性を感じさせるようにしてみた。

 みんながやっていることのようで、実は実現できていないこと。誰もやったことがないこと。このビジョンを胸に、新しい世界に社員全員でチャレンジしていこうと思っている。

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AO