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2015年1月20日火曜日

創造的破壊

視点:日本経済の創造的破壊を阻む3つの壁=カッツ氏


リチャード・カッツ 米オリエンタル・エコノミスト・アラート代表
[東京 20日] - 米国でジャパンウォッチャーとして知られるリチャード・カッツ氏(オリエンタル・エコノミスト・アラート代表)は、日本経済の3つの構造問題として、産業の新陳代謝の停滞、転職労働者へのセーフティーネット不備、貿易依存度の低さに象徴されるグローバル化の遅れを挙げる。
同氏の見解は以下の通り。
<「創造的破壊」を担う企業の不在>
日本経済の持続的成長にとって最も重要なのは、1人当たり国内総生産(GDP)の伸びを加速させるべく、アベノミクスの「第3の矢(成長戦略)」を単なるスローガンや耳に心地いい目標ではなく、労働や資本の生産性を上げるための実際の行動に変えることである。
金融・財政の刺激策は、構造改革という外科手術のための麻酔として使うべきだ。労働および資本の生産性を上げる鍵となるのは、競争の活発化であり、「創造的破壊」の促進だ。日本で新参企業が既得権益層に取って代わるのは、他の先進国に比べてはるかに難しい。
かつての花形産業だった電機産業が陥っている苦境に目を向けてみよう。以前のソニーのように何十年にもわたって超優良企業としてあり続けるというのは、どんな会社であれ非常に難しいことだ。だからこそ、ある企業が傾いてきた時には、新しい企業と入れ替わるという産業の新陳代謝が必要になる。
米国では、新たな技術は通常、古い技術に金銭的・感情的なしがらみが何もない新しい企業によって促進される。現在の米国の大手電機メーカー21社のうち、8社は1970年にはまだ存在さえしていなかった。また、6社はわずか十数年前でさえ、規模が小さすぎて米経済誌フォーチュンが選ぶトップ500社に入っていなかった。   続く...

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