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2010年5月25日火曜日

当然である!

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やっぱり放っておけない日本の財政赤字

巨額の累積債務と成長の鈍化が深める“深刻度”

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政権交代の経済学
価格:2310円
 マニフェスト、事業仕分け、新しい成長戦略など、民主党政権は新しい経済政策を提案、実行してきました。一方、政権交代によって国民の間ではさまざまな混乱が生じたのも事実。本書は、小峰隆夫法政大学大学院教授を中心としたエコノミスト集団が、経済学のベーシックな理論を使って政権交代は何をもたらすのか、民主党の経済政策は妥当なのかを分析しました。
 ベースになったのは、日経ビジネスオンラインの連載コラム「政権交代の経済学」です。この連載に新たな章と用語の解説など大幅に加筆して一冊にまとめました。
 日本は政治的にも経済的にも転換点を迎えています。若い世代や次の世代に過大なしわ寄せをするわけにはいきません。将来の日本を活力ある国にするための議論のベースとしてぜひ本書をお読みください。
 ギリシャの財政危機の影響は、ギリシャ国民に大きな混乱を引き起こしています。世界の金融市場を通じて我々の生活にも影を落とすこの財政危機。単純比較することはできませんが、日本の財政は大丈夫なのでしょうか?
 この問題を考える時に大事なのは、将来に向けて財政が持続可能かどうかという視点です。そこで重要な指標となるのが、対名目GDP比でみた公債残高です。
 財政を考える場合、プライマリーバランス(税収から一般歳出を引いて計算する財政収支)が均衡していれば、名目成長率が名目金利より大きいだけで債務残高の対名目GDP比は収束します(これをドーマー条件と言います)。今回のコラムでは、前掲書の執筆者の一人でもある政策研究大学院大学の桑原進准教授に、このことについて詳しく解説していただきました。
 結論を先に言ってしまえば、債務残高が既に大き過ぎるので、相当に厳しく財政を引き締めていかざるを得ない、言い換えれば、日本はこの先思うような経済成長が見込めないので、プライマリーバランスの黒字幅の確保が必要になります。途中、聞き慣れない用語や数式が少しだけ出てきますが、このような厳しい結論を出さざるを得なかった理由が見えてきますので、ぜひ最後までお読みいただければと思います。
 財政の持続可能性をみる際には、個人の債務と同じで、元利払いの金額と当面必要となる新規の借入額の大きさを、今後の所得と比べます。
 財政の場合は、債務残高と金利から必要となる元利払いの金額を測り、プライマリーバランスの予測で新規借入額を、名目GDPの予測で所得の有無を判断することになります。この際、対名目GDP比でみた公債残高が重要な指標となります。
 以下では、対GDP比でみた債務残高が収束するための条件であるドーマー条件と、現在の経済情勢に合わせて修正したドーマー条件について説明します。その上で、既存の債務が雪だるま式に膨らむメカニズムである内生的債務動学を用いて、日本の状況を分析します。
 その前に、日本の現状と政府の財政回復に向けたシナリオについてみてみましょう。

麻生政権下の推計

 日本の政府の公債残高は、すさまじい水準に及んでいます。まず、数字からみてみましょう。1991年には、対GDP比60%の水準にあった国債の累積債務残高は、バブル崩壊後の景気後退における税収不足と、今次不況局面も含めてバブル崩壊以後の累次の経済対策における財政出動の結果、2009年の段階では、190%を超えていると推計されます。
 我が国政府部門にはそれなり資産があるので、ネットで見れば債務残高は深刻ではないという意見もあることから、ネットの債務残高を見ると、それでも100%を超えるような水準に至っています。
 そもそも政府の資産は政府が活動していく上で必要なものが多いわけで、民間企業や家計と異なり、ネットで考えるべきではありません(売却できる資産には限りがあります)。現時点で、改めて主要国と比較しても、際立った水準であることが分かります。現在、財政悪化が懸念されている米国の2倍以上。の規模に及んでいます。

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